2014年02月02日

永遠の0

先月「永遠の0」を読み、その後映画も見に行きました。

読後の感想を記したいと思います。

この物語を読み通して、恥ずかしい話ですが、初めて帝国海軍の戦いの流れ、大東亜戦争の実際がやっと具体的に分かってきました。
「永遠の0」を読む前は、他の書籍や遊就館や知覧特攻会館での展示、様々なインタビューや講演など見聞きはそれなりにある程度していたつもりでした。
でもしていたつもりが、実際には全く具体的には把握できていなくて、この物語を通じて数多くのことを知り得ました。
真珠湾、ミッドウェー、ラバウル、ガダルカナル、桜花、特攻。
(例えば「桜花」ですが、このくだりを読んだ時には搭乗員の恐怖まで追体験できたように感じました。)
これらの戦いが、この物語の中で、非常に具体的に複数の視点から描き出されています。

この「永遠の0」はオムニバス形式のように、複数の登場人物が自らの体験を語っていき、それらの積み重ねで宮部久蔵という人物像を描き出しています。
でも、宮部久蔵一人を描き出しているようで、実はその宮部という熟練搭乗員一人の生き様を通して大東亜戦争の実際や、戦った人たちがどのような思いを持っていたのかまでも描き出されているのです。
それら登場人物の個性は多様で、それらの人の各々の視点から大東亜戦争での体験が語られるので、話を読み進めながら自分も追体験しているかのように戦争の状況が分かるようでした。
恐らく、登場人物に自然と感情移入していく物語という形をとっているから、このようにすっと自分の内面に入ってくるのだと思います。

著者の百田さんのインタビューをyoutubeで見ましたが、百田さんは戦地で戦った大正生まれのお父さんの世代と、その孫の世代を繋ぎたかったと仰っていました。
百田さんら子の世代は、戦後よく戦争の話を周りの大人たちから自然と聞いていたそうです。また町には傷痍軍人がいたり、町自体に戦争の傷跡が残っていたりしていたそうです。
でも孫は全く祖父の世代から戦争の話を聞いていないし、そこで戦争の記憶が断絶されてしまっているということに危惧を覚えたそうです。
だからこそこの作品を通じて、戦地で戦った世代とその孫の世代を繋ぎたかったのだそうです。

私の祖父も大東亜戦争で戦い、生きて帰ってきました。でも詳しく戦争の話を聞くことも無いまま、数年前に亡くなってしまいました。
かつての私は、学校で教わった自虐史観そのものの頭で、「日本軍は戦争で悪いことを外国の人にたくさんしたと聞いたけど、おじいちゃんも、もしかしてそうなのかな・・・でも、まさかね。」というような漠然とした思いを抱えていました。
「永遠の0」と出会った若い世代の方の感想は、「おじいちゃんに戦争の話を聞いておけば良かった」という方が多いそうです。
私はこの本と出会うより前に自虐史観から抜け出せて、本当はどうだったのかが少しずつ理解できるようになっていましたが、この作品はこの現代で、とても大きな役割を果たしていると思います。
エンターテイメントの域を超えて、「真の日本の教育」の域にまで達しているのではないでしょうか。
若い世代がこの本を通じて学ぶこと、感じることは非常に大きいと思います。
以前の私のように、本当の日本の戦いがどのようであったのか、当時の世界から見た日本が置かれた立場がどのようであったのかを知らず、本来学ぶべき歴史とは程遠い偽りの歴史観を植え付けられている人が、何かのきっかけでこの本と出合えれば歴史観が必ず更新されるはずです。
映画もいずれテレビで放送されるでしょう。それで多くの人がこの物語に映画からでも接すれば、日本人の歴史観に大きな揺さぶりがかかると思います。
国を大切に思う気持ちも育まれるのではないかと思います。
本来なら学校で自国のこういった歴史を学ぶべきですが、現在の日本の学校教育は戦後の占領体制の影響がまだまだ残っているから公教育には多くは望めません。

百田さんのような作家が日本の今の世に出てきてくれて、このような作品を残してくれて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

読んでいる時は涙が枯れるかと思うほど涙しながら読みました。
後でふと感じたことですが、これほど涙が出るのは、私の中のご先祖様の思いが私の涙となって現れているのではないか・・・と思えてきました。当然根拠はありませんが。

書籍の「永遠の0」はとても長い作品です。でも読み出すとぐいぐいと引き込まれるような力強さがあり、ページ数の分厚さは気になりません。だから評判が評判を呼び、売れに売れているのだと思います。

本も映画も見た私の感想は、本がやっぱり最もおすすめですが、映画も素晴らしかったです。
映画では空戦が現実のような迫力を持って描かれており、本の中だけの想像と相互に補完しあって、より一層戦いを身近に感じることができた気がします。
また、登場人物の一人、景浦という役を演じた役者さんがイメージにぴったりでした。
最後に宮部の孫の健太郎の頭上を宮部が乗ったゼロ戦が飛んでいくシーンがあります。宮部のように、本当に大東亜戦争で戦って亡くなった祖父の世代の方たちがこのように今の日本を上から見ているのではないかとも思えて、とても印象的でした。
映画は、子ども達に絶対に見せたいという思いが強くあり、まだ小学校低学年ですが一緒に見に行きました。
これで今後一緒に靖国神社に参拝しても、どういう人たちがここに祀られているかが少しでも理解できるのではないかと思います。
映画の中で、最も印象的なシーンは大石と宮部が特攻の前日に川に足を浸しながら語らうところです。「将来の日本はどのようになっているだろうか・・・」と二人は語り合っているのですが、この台詞が心にずしんときました。現在のこんな日本を見たらどのように英霊は思うのか、、と申し訳ない気持ちで心がいっぱいになりました。

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posted by やまと at 16:42| Comment(0) | 読了した書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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